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箱づくりコラム

2021.07.26

さくらんぼのブランド力向上とオペレーション効率化

経営のステージを上げる「箱」

クライアント概要

深瀬農園

URL:https://fukasenouen.com/
業種:果樹農家
山形県東根市にて、ご夫婦で農園を営んでいる深瀬農園様。旦那様のひたむきに野菜や果物と向き合う姿勢と、奥様の情熱的な取り組みでファンを増やしてきました。さくらんぼのブランド里である山形県東根市で、栽培方法と品質管理に徹底的にこだわって作られたさくらんぼ。そのさくらんぼを配送するための箱を提案・作成させていただきました。

課題・ご要望

他との違いを作りブランド価値を向上

市場や道の駅などに行くと、農産物を入れた同じような箱がたくさん並んでいます。いろんな農園さんのさくらんぼが並んでいるため、他と同じ箱では存在が埋もれてしまい、その中で深瀬農園様のさくらんぼの高い品質をアピールすることができませんでした。祖父から受け継いだこの農園のさくらんぼにしっかりと価値を付けお届けしたいするため、「他と同じ箱は使いたくない」「ブランド価値を伝えることのきる箱が作れないか」というのが深瀬農園様のご希望でした。

市場でよく見かける箱は、昭和の時代に農協が共通で作った箱が主流となり、いつのまにかさくらんぼ箱のスタンダードになったもの。近年は農協から自立し、自分でブランディングして販売したい人も増えてきたため、独自の箱を作る動きが徐々に加速してきています。

深瀬農園様も、自分たちのブランド価値を高める手段として箱に着目し、既に箱の改善に取り組んでいました。現在主流なのは、本体の箱を折り、商品を入れて上蓋を乗せ、さらに十字にバンドをかけて出荷するタイプのものでした。しかしそれでは思うように他社との差別化が図れない、とお悩みだったのです。

しかけ箱.comのしかけ

一目で分かる違いとブランド力

商品を売る時はただ売るのではなく、どんな人がどんな想いで作っているか、というストーリーが必要です。農家さんは天候によっては寝ずに作業することもありますし、早朝から一日中畑仕事をすることもあります。それほどお客様のために品質に気を使っていて、ましてや深瀬農園様の徹底ぶりは眼を見張るものがあります。その想いを売る時にいかにPRできるか。それを意識して「箱」のご提案をさせていただきました。

従来型のさくらんぼの箱では差別化を図れないため、ブランド力を高めるべく、こだわりの色を選択できる美粧段ボールを選択。また、大切に手間暇かけて作られたさくらんぼであるというストーリーを表現するために、特別感を演出しようと考えました。新型として主流となっていた箱も、上から十字のバンドをかけるため特別な印象という点からすると難があったからです。

ストーリーを感じさせる“特別な箱”

深瀬農園様の想いや日頃の情熱を表現できる特別感のある箱としてご提案したもの。それは、観音開きの箱です。

真ん中から扉を開くように開ける観音開きの箱は、大切に育てられた高級なさくらんぼであることを印象付けられます。扉を開けて中を見るという行為は特別感を演出すると共に、入っているさくらんぼの品質の高さも感じさせることができます。

箱の形状ひとつでも、ストーリーを感じさせることはできるのです。ストーリー性によって付加価値を付けられる観音開きの箱は、より高みを目指すお客様に対して佐貞商店が自信を持ってお勧めするタイプでもあります。

ブランド力を求めた先のオペレーション低減

さらに、観音開きタイプにすることによって、オペレーションコストの低減も実現することができました。

観音開きタイプのこの箱は、特別感を演出するために十字バンドを廃止しました。通常は十字にバンドをかけて止めるところを、縁を厚くしツメを大きくすることで強度を実現。閉じたフタに送り状を貼るだけで固定することを可能にしています。

また、観音開きの箱はパーツ一体型。折りたたんだフタのツメ部分が支えと仕切りの役割を果たします。

こうして、段ボール一枚で化粧性と特別感でブランド価値を高めつつ、機能性を向上させる箱を作ることができたのです。これによって仕切りを付けたりバンドをかけたりする手間が省け、オペレーションを減らすことも実現できました。

シンプル構造にした結果、コストダウン!

特別感を出すためには、凝った作りの箱にしようとしてパーツの数が増えたり、多くの段ボールを使う必要があったりしてコストもかかってしまうのが普通です。しかし観音開きの箱は仕切りもバンドもいらず一枚の段ボールで作ることができるため、コストを抑えることもできたのです。

段ボール一枚のシンプルな構造にした結果、普通の箱より断然安いものが作れるようになったというわけです。

「箱」が見せる次のステージ

観音開きの箱によってブランド力を高め、オペレーションを低減し、加えてコスト削減までも達成したわけですが、深瀬農園様が得た価値は他にもあると考えています。

深瀬農園様は箱を通じて一歩先の世界を見る機会を得たと考えています。知識や箱という武器を持ったことで、視野が広がり物事の見え方・捉え方が変わってくることがあります。実際に深谷農園様の場合は、今回の箱作りを通じて、更に自分たちのブランド価値を高めようという想い強くなっているように感じます。もっと改善したいというご要望も頂き、現在は第二弾の箱作りに着手しています。

箱を通じたブランドづくりで、経営者として1つ上のステージへ。これからも「箱」からお客様の課題を解決し、経営にとってプラスとなる価値をご提供できるよう努めてまいります。

お客様の声(深瀬農園様)

これまで代々果樹園を営んできましたが、あるときスーパーや小売店でさくらんぼが没個性的に並んでいる姿を見て、ブランドというものを改めて考えさせられました。もっとお客様に当農園のこれまで紡いできた歴史や想いを伝えなければ行けないのではないか。そう考え、さくらんぼの価値を上げられる方法が無いかと模索していたところ、佐貞商店様に出会いました。

こちらの想い伝えると、それを元に様々なアイディアを頂き、たくさんのご提案いただきました。

結果的に非常に満足の行く箱ができましたが、一番の驚きは見た目でのブランド向上が実現しただけでなく、コスト面での改善や作業性が向上ができたことです。十字バンドがいらず、送り状だけで済むこの作りは、ヤマト運輸の担当者様からもお墨付きを頂くことができました。要望以上の課題を解決して頂いた佐貞商店さんには大変感謝しております。

今は一緒に、次の新しい企画を進めています。佐貞商店さんならではの「しかけ」がいっぱいの箱を早く皆さんにお見せできればと思っています。これからも「箱」とともにさくらんぼのブランド向上に努めていきたいと思います。

この記事をかいた人

しかけ箱ドットコム編集部

有限会社佐貞商店の運営するWEBマガジン「しかけ箱.com」の編集部。皆様に段ボールの素晴らしさや段ボールを使った企業の課題解決策などをお届けいたします。

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