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箱づくりコラム

2021.07.29

笹かまに新たな価値を見出すための箱を!

商品ごとの魅力を引き出すカスタマイズ可能な箱

クライアント概要

株式会社 武田の笹かまぼこ

URL:https://www.takesasa.com/
業種:食品加工
1935年創業の老舗蒲鉾店。笹かまぼこ誕生の地・宮城県塩竈で創業以来の伝統製法を受け継ぎ、頑なに守り続ける武田の笹かまぼこ。昔ながらの手法を伝え、魚の風味と自然の甘味を活かす武田の味をかたく守り続ける。創業以来の「武ささ」ならではの味を、真心込めて作っている。

武田の笹かまぼこ様は創業80余年の老舗蒲鉾店ですが、長い歴史の中で様々な取り組みをしてきた企業です。本店では工場見学や笹かま造り体験ができるようにしたり、笹かまの自動販売機や笹かまのアヒージョを開発したりするなど、様々な取り組みを実施し、笹かまに新たな価値を見出そうとチャレンジを続けています。

元々、当社と武田の笹かまぼこ様は取引があったのですが、段ブロックやしかけ箱など近年の当社の取り組みを見て、なにか面白いことを提案してくれるのではないかという期待感が非常に大きかったと言います。ちょうど、笹かまに新しい価値をつけるためにチャレンジしたい武田の笹かまぼこ様と、しかけ箱として箱に新しい価値をつけていこうという当社と、タイミング・マインド・チャレンジ精神が一致したのです。自分たちの商品に新しい価値を生み出していこうという企業としての変革期が一致し、革新的な箱の制作に取り組むことになりました。

課題・ご要望

笹かまの新しい価値を届ける箱

「笹かまぼこ」といえば宮城の名物として有名で、お土産としても重宝されるブランド力もあります。ですが、笹かまには決まりきったイメージがあり、そこから発展性がなかったのも事実。日本酒・ビールなどのおつまみとして食べる大衆的な食べ物で、お洒落・高価といったイメージはなかったと思います。

そんな笹かまに新しい価値を与えるため、新商品として笹かまのアヒージョを考案。生ハムやチーズのように、ワインと合わせられる高級感やお洒落感を出し、単価も上げられるようにしたのです。また、従来は笹かまぼこといえば要冷蔵商品でしたが、そこにイノベーションを起こし常温で勝負するため、笹かまのアヒージョは缶詰で販売されました。

そして、この笹かまのアヒージョをお酒とセットにして販売するための箱の制作依頼をいただいたのです。笹かまに新たな価値を見出す商品として相応しい箱をご希望でした。

しかけ箱.comのしかけ

ギフトとして喜ばれる箱

実は地元の日本酒ブランドである浦霞とコラボすることが決まっていて、日本酒とのセットだけでなくワインとの取り合わせで市場を開拓していきたいという戦略だったのです。ワインとのマッチングのために開発した笹かまのアヒージョの他にも、自社商品が何種類もあるので、それら商品もセットで販売していくご希望でした。

その展望から、セットのバリエーションは増やしながらも一つの箱で収めることができるような箱のイメージが出てきました。セットにするのが日本酒もワインも大丈夫で、入れる商品が変わっても見栄え良く収めることができる箱を作ることに決まったのです。

今までにない笹かまの楽しみ方をご提案する箱として、人にあげるときにギフトとして喜ばれるものが好ましいと考えました。受け取った人が「なんだこれ!」と驚いて、つい誰かに贈りたくなってしまうような箱で付加価値をつけることができます。

形状変化で中身に合わせて使い分け

箱は、収める中身(商品)とのマッチングが非常に大事です。箱と中身がマッチすることで、価値が伝えやすくなるからです。中身の価値を高める収め方があり、形や色合いが重要になってきます。

たくさんの商品ラインナップを持つ武田の笹かまぼこ様。その多様な商品を一つの箱で見栄え良く包むために、入れるもの形状に合わせて4パターン使える箱をご提案させていただきました。

ミシン目を入れることで、切り取ったり曲げたりして様々な形状に変化させることができるカスタマイズ可能な箱なのです。笹かまを平らに入れたり、缶詰を角度つけて入れたりと多様な使い方ができるようになっています。
2パターンできる箱は多いですが、4パターンできる箱は例がなく、さらに仕切りを入れ替えることでバリエーションは2倍になります。

約3割のコストダウンも実現

さらに、この箱の利点は機能性だけではありません。ここまで便利になった上にコストダウンも実現できたのです。

段ボールは形状と素材の使い方でコストダウンが可能です。原価は使用する紙の面積によって決まるので、工夫によってコストも減らせるのです。
今回の箱は様々なバリエーションが作れますが、蓋と中身が一体になっているので余分なパーツの使用がなく、使う段ボールも一枚で済みます。

蓋と中身がセパレートのタイプの場合は一個400円ほどかかりますが、一体型にしたことで250〜300円に抑えられるようになりました。約3割のコストダウンはお客様にもご満足いただけました。

新しい価値を生み出す箱

通常であれば、既存のアイディアの中からかっこいいデザインであったり、材質であったりを選んでいくやり方になりますが、「今までにないものを作り出す」という信念のもと、武田の笹かまぼこ様の目指す笹かまの新しい価値を生み出していくお手伝いができたと自負しています。

今回はクライアントの想いを聞いて、さらにワクワクするような箱作りをお手伝いできて嬉しかったです。クライアントの想いを汲み取るということは非常に重要だと改めて感じました。想いを汲み取ってそれを形にし、さらには気づいていない課題までも解決する。それこそがしかけ箱の真髄なのです。

我々自身も楽しんで作っていますし、企業理念である「私たちは、包む心を創造し、喜びと感動を提供します。」という想いのもと商品を最適な状態で包むことにこだわっています。そうやって、一生懸命設計して、工夫して価格も抑えて、そしてお客様に喜んでいただいて、そこからまた依頼をもらえるようないい循環ができたらと思っています。

「箱」が見せる次のステージ

観音開きの箱によってブランド力を高め、オペレーションを低減し、加えてコスト削減までも達成したわけですが、深瀬農園様が得た価値は他にもあると考えています。

深瀬農園様は箱を通じて一歩先の世界を見る機会を得たと考えています。知識や箱という武器を持ったことで、視野が広がり物事の見え方・捉え方が変わってくることがあります。実際に深谷農園様の場合は、今回の箱作りを通じて、更に自分たちのブランド価値を高めようという想い強くなっているように感じます。もっと改善したいというご要望も頂き、現在は第二弾の箱作りに着手しています。

箱を通じたブランドづくりで、経営者として1つ上のステージへ。これからも「箱」からお客様の課題を解決し、経営にとってプラスとなる価値をご提供できるよう努めてまいります。

お客様の声(株式会社武田の笹かまぼこ様)

自分たちの無理難題に応えてもらって、満足の行く箱ができました。入れるもの形状に合わせて4パターン使える箱なんて、まさに「しかけ箱」。まさかここまでとは…という感想で、いい意味で期待を裏切ってくれました。

箱そのものに色んなパターンがあるから、次のアイディアが浮かんでくるんです。自社のブランドを高めるだけでなく、想像力が掻き立てられて商品のアイディアが湧いてくるような箱になって大満足。同梱する酒のメーカーさんからもビックリされましたよ。

今は一緒に、次の新しい企画を進めています。佐貞商店さんならではの「しかけ」がいっぱいの箱を早く皆さんにお見せできればと思っています。これからも「箱」とともにさくらんぼのブランド向上に努めていきたいと思います。

この記事をかいた人

しかけ箱ドットコム編集部

有限会社佐貞商店の運営するWEBマガジン「しかけ箱.com」の編集部。皆様に段ボールの素晴らしさや段ボールを使った企業の課題解決策などをお届けいたします。

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