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2021.07.26

段ボールの構造と強度について

段ボールは、中芯と呼ばれる波形に加工された板紙に、ライナーと呼ばれる板紙を貼り合わせたもののことをいいます。一口に段ボールといっても、さまざまな材質や強度のものがあるので、目的や用途によって使い分けができるといいですよね。

そこで、今回は段ボールの構造と強度についてお伝えします。

段ボールの構造

まずは段ボールの構造についてご紹介します。段ボールは、波型の中芯と、中芯を挟む表の紙(表ライナー)と裏の紙(裏ライナー)という3つの構成要素によって成り立っている材料です。

中芯

中芯とは、ダンボールを横から見たときに波形に見える板紙のこと。中芯の原紙の規格は、1平米あたりの重量と強度によって、以下のように分けられています。

中芯は更に、波の高さや段階によって種類が分けられます。これをフルートと言います。

フルート

フルートは、中芯に見られる波状の数や厚さによって規定されています。フルートの規格は、主に使われるものとしては、Aフルート、Bフルート、Wフルート、Eフルート、Gフルートの5種類に分けられており、さらに、Cフルート、Fフルート、2層AA段(バイウォール)3層AAA段(トライウォール)を含めると9種類です。

フルートは、段数や厚さについては以下のようになります。

フルートの段数と高さが、段ボールの強度と衝撃吸収性を生み出しているため、フルートの種類によって強度が変わります。

ライナー

ライナーとは、中芯を挟む表裏の板紙のことをさします。表ライナーと裏ライナーで中芯を挟み込んで接着することで、段ボールは素材として強靭な構造になっています。

ライナーが片面のみに貼られている段ボールもありますが、両面に貼られているものが多いです。表と裏のライナーで中芯を挟み込んで接着することで、圧力が直接中芯に伝わらないように、保護しています。

 

ライナーは、1㎡あたりの重量と強度によって、以下の種類に分けられます。

段ボールは非常にリサイクル率が高い素材ですので、古紙の含有量も強度に影響します。D4〜C6は古紙の割合が多く、軽量ですがあまり強度は高くありません。K5〜K7は古紙+バージンパルプ(全体の30%ほど)で作られている分、価格も強度も上がるのです。

材質・種類の違いは強度に表れる

段ボールは、中芯、表ライナー・裏ライナーという三重構造によって成り立っている材料であり中心の波形の段数と厚さによって種類が分けられていることを紹介しました。

では、段ボールの材質には、どのような特徴があるのでしょうか。段ボールの材質や種類の違いは、強度に表れます。具体的には、中芯の強度とライナーの強度、フルートの段数との組み合わせによって決まります。

例えば、ライナーの素材の強度が強くても、フルートの段数が少なく、中芯の素材の強度が弱ければ、段ボールの素材として強度が高い段ボールにはなりません。強度の高い段ボールをつくるには、強度の高い素材のライナーと中芯を組み合わせ、なおかつ、フルートの段数が多いものを使用すると良いのです。

まとめ

今回は、段ボールの材質と強度についての情報をまとめて紹介しました。段ボールの材質と強度について知っていれば、必要に応じて、適切な段ボール箱をオーダーメイドで作ることができます。段ボールの素材の規格について理解し、必要な段ボール箱を使い分けられるようにできるといいですね。

この記事をかいた人

しかけ箱ドットコム編集部

有限会社佐貞商店の運営するWEBマガジン「しかけ箱.com」の編集部。皆様に段ボールの素晴らしさや段ボールを使った企業の課題解決策などをお届けいたします。

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