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2021.07.26

今さら聞けない!段ボールの基本

大きな物やたくさんの物を効率的に運ぶときの必需品といえば、段ボール箱。大切な物を段ボール箱に入れて運ぶことで、安心して一気に運ぶことができます。

そんな私たちにとって身近な存在である段ボール箱ですが、そもそも段ボール箱の素材である段ボールとは何かと聞かれたら、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、段ボールの基本的なことについてご紹介します。

そもそも、段ボールとは何か?

段ボールって、そもそも何なのでしょうか?段ボールとは、波形に加工された板紙にライナーと呼ばれる板紙を貼り合わせたものです。よく段ボール箱のことを段ボールと言いますが、段ボールというのは箱の材料の名前です。段ボールシートという呼び方をされることもあります。箱以外にも、最近だと東京オリンピック選手村ベッドに利用されたりと様々なものに活用できるのが段ボールです。

【豆知識】段ボール?ダンボール?

ここで豆知識をひとつ。ダンボールと表記されることもある段ボール。パソコンやスマホで変換しても2パターン出てきますよね。
はたしてどちらが正しいのでしょうか?
実はこれ、包装資材の業界では「段ボール」が正解なんです。
それもそのはず、段ボールの名前の由来①断面の波型が階段状に見えること②原紙にボール紙を用いていたこと、だと言われています。
「階状のボール紙」だから「段ボール」なんですね。

段ボールの歴史

それでは、そんな段ボールの歴史を紐解いてみましょう。

段ボールの誕生

段ボールは、19世紀のイギリスで生まれたとされています。当時イギリスで流行していたシルクハットの内側の汗を吸い取るための素材として開発されました。なんと段ボールは、シルクハットの内側に貼り付ける板紙の素材だったのです。通気性とクッション性を兼ね備えた素材として、1856年にE.C.ヒアリーとE.E.アレンが考えだし、特許を取得したとされています。

箱としての段ボール

イギリスで生まれた段ボールは、1870年代になってアメリカで製品の包装に使われるようになりました。

最初は、おがくずや藁に替わる緩衝材として使われていましたが、波状の板紙に平たい板紙を貼り付けてさらに強度を持たせるなどの改良をし、ビンや壺などを包む包装資材として活用されるようになりました。これが片面段ボールです。
このことから、波形に加工された板紙にライナーを貼り付けるという現在の段ボールの発想は、緩衝材として割れ物が割れないようにするための発想として出てきたのだといえます。

その後、R.H.トンプソンによって両面段ボールが考案され、1890年代に世界で初めて段ボール箱が製造され、広く一般に普及していきました。

日本における段ボール

日本で初めて段ボールを製造し、それを段ボールと名付けたのは、井上貞治郎(いのうえ ていじろう)だといわれています。井上貞治郎は、1909年(明治42年)に自ら考案した機械で段ボールの製造に成功し、三盛社(のちの三成社)を設立して日本に段ボールを普及させました。

日本では、段ボールが普及する前は、物を運ぶための道具として木箱が使われていました。それが、井上貞治郎が段ボールを普及させて以来、段ボールは時代とともに進化を遂げ、現在では代表的な包装資材として日常の至るところで幅広く活用されるようになりました。素材の強度のバリエーションが拡がったアメリカの段ボールが日本に取り入れられ、さらに日本で普及する中で、さまざまな用途に合った段ボール箱がつくられるようになり、オーダーメイドの段ボール箱を注文することができるまでに至ったと考えられます。段ボールの日本での普及は、段ボールの可能性をさらに拡大したといえるのではないでしょうか。

段ボールはとってもエコな素材

実は段ボールは環境に優しい包装材なんです。95%以上の段ボールが回収され再利用されています。それだけ高いリサイクル率を誇り、さらにリサイクル工程の環境負荷が低い素材としても知られています。

また、もし再利用されなかったとしても、最終的には土に還すことができるので100%再生可能。つまり段ボールは持続可能なエコな包装材だといえます。
SDGs(持続可能な開発目標)が謳われる今の時代にぴったりな包装材なのです。

詳しくはこちら「実は、とってもエコな段ボール」

段ボールの構造

詳しくはこちら「段ボールの構造と強度について」

段ボールのメリット

段ボールには、どのような利点があるでしょうか。改めて段ボールを使うメリットをまとめてみます。

さまざまな物を包むことができる

段ボールは、食品、電化製品、布製品、その他どんな物でも包むことができます。原料が紙なので、加工が容易でどんなサイズにもフィットさせることができ、コストも大きくかかりません。だからこそ様々な商品の持ち運びに利用されるんですね。強度も調整できるので、非常に重いものを入れて運ぶこともできるんです。

中の物を保護することができる

包むだけでなく、運ぶ物を保護することができる点が段ボールの強い点。段ボール箱は、中に入れる物によって形状が変わりませんので、中の物を保護する事ができます。段ボールそのもの強度を出すこともできますが、中の物を固定するためのパットを入れたり、仕切りを入れたり、様々な工夫で中の物を保護することができます。

衛生的

段ボールは基本的に1回利用されるたびに回収され・リサイクルされます。回収された段ボールは新たな段ボールとして生まれ変わります。そのため実は非常に衛生的な包装資材なんです。段ボール箱が食品を入れるのに使われるのは、そういった理由もあります。もちろん、高温・多湿など保存に向かない環境で長期的に放置すれば不衛生になりますので、段ボールに入っているものは早めに出して段ボールをリサイクルしましょう。

情報発信機能がある

段ボールは、印刷により商品宣伝を行うことができます。段ボール箱に情報を載せることによって、商品や会社の情報を発信することができるのです。街中でふと段ボール箱に印刷されたロゴや文字が気になって、ついじっくり見てしまったという経験はありませんか?段ボール箱にはそれなりの大きさがあり、物を遠くへ運ぶ際には段ボール箱を外に持ち出すことが多いことから、段ボール箱に載せられた情報は、必然的に人の目にとまりやすいのです。

オーダーメイドができる

段ボールは紙ですから、加工が容易にできます。そのため、ちょうど良い大きさや強度の段ボール箱をオーダーメイドすることができます。実は段ボール箱に既製品という概念はあまりなく、多くの場合がオーダーメイドになります。しかけ箱.comが最も得意なのも、このオーダーメイド。もちろん箱以外にも様々なものに応用することができますので、ぜひオーダーメイドをご検討下さい。

詳しくはこちら「しかけ箱とは

まとめ

今回は、段ボールについての基本情報をまとめて紹介しました。普段、何気なく生活の中に溶け込んでいる段ボールにも、いろいろな種類があり、そしていろいろな利点があるということを知っていただけたなら幸いです。

この記事をかいた人

しかけ箱ドットコム編集部

有限会社佐貞商店の運営するWEBマガジン「しかけ箱.com」の編集部。皆様に段ボールの素晴らしさや段ボールを使った企業の課題解決策などをお届けいたします。

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